海外にいるオーストラリア人を支援
この憲章には、オーストラリア政府が提供する領事サービスと支援の概要がまとめられています。私どもの提供できる支援は、場合によって限られることがあります。
私どもの使命
- 海外にいるオーストラリア人が自力で問題を解決できるように支援する。
- 海外の非常事態に対する準備と対応を効果的に行う。
- 支援をもっとも必要とするオーストラリア人に重点をおいて領事サービスを提供する。
私どもの支援対象者
- オーストラリア国籍保有者
- カナダオーストラリア領事サービス共有手配付則に記載された場所にいるカナダ国籍保有者
オーストラリア永住権保有者に領事サービスが提供されるのは、海外で非常事態が生じた場合のみです。これにあてはまる可能性があるのは、政府による避難支援がオーストラリア国籍保有者に提供される場合です。
二重国籍者の方の場合は、もう一つの国籍保有国で私どもが支援できるのは例外的な状況に限られます。
私どもの目標
- お問い合わせに礼儀正しく、迅速かつ効率的に対応する。
- 私どもにどんなお手伝いができるかと、アドバイスや支援を他に求めるべき場合を明確に説明する。
- 先住民の伝統も含め、オーストラリアの文化と宗教における多様性を認識する。
- 提供するサービスが有料の場合には、お知らせする。
- いただいたいかなる個人情報も、オーストラリアのプライバシー法に基づいて保護する。
- 私どものサービスについていただいたフィードバックを真摯に受け止める。
みなさんへのお願い
- 渡航に関するご自分の選択や、海外での安全やお金、行動についての責任は自分でもち、訪問国の法律を守ってください。
- 文化や宗教上考慮すべきこととして、知っておく必要のあることがあれば、お知らせください。
- 渡航と医療に関する適切な旅行保険に加入し、何が加入した保険の対象になっているか、何が対象になっていないかを理解しておきましょう。
- smartraveller.gov.auのトラベルアドバイスと地元当局のアドバイスに従ってください。
- パスポートを大切に保管し、紛失したり盗まれたりした場合にはすぐに報告してください。
- 領事職員には丁寧に接し、支援を求める場合には関連情報をすべて正直に伝えてください。
- 私どものサービス改善につながるよう、フィードバックを提供してください。
場合によっては、私どもにできる支援が限られることがあります。
領事の支援を受ける法的権利はありませんので、支援が受けられると思い込むべきではありません。例えば、次のような場合には私どもの提供する支援が限られることがあります。
- 違法行為を犯した。
- 故意にもしくは何度も無謀行為や過失行為を行った。
- 自分や他者を危険にさらした。
- 以前に領事の支援が何度も必要になった行為を繰り返したことがある。
提供できるかもしれない支援
それぞれの問題には固有の事情があり、私どもにできることはその状況と対応可能な領事館職員の数に左右されますが、次のことができる場合があります。
- 代わりのパスポートや渡航文書を有料で発行する。
- 現地で利用できる地元の医師や病院、メンタルヘルス関連のサポートの詳細を提供する。
- ひどい暴行やその他の犯罪の被害を受けた場合や逮捕された場合には、アドバイスとサポートを提供する。これには地元の弁護士や通訳の詳細が含まれます。
- 逮捕や拘束された場合には、面会したり連絡をとったりして健康状態を確認し、逮捕された国の法律の下で他の人と同等に扱われるように私どもにできることを行う。
- 海外の親族の死亡や、行方不明者、誘拐などその他のさまざまな場合にアドバイスやサポートを提供する。
- ご本人の同意があれば、ご家族や友人に連絡をとる。状況によっては、ご本人の同意を得る可能性が不可能な場合でも、ご家族や友人に連絡する必要があることがあります。
- 海外でテロリズムや暴動、自然災害が生じた場合には、各種特別な手配を行う(有料になることがあります)。
- 書類の立ち会いや認証、宣誓供述や誓約など一部の公証業務を提供する(有料)。
- 地域によっては、オーストラリアの連邦選挙や一部の州選挙の投票事務を行う。
できないこと
領事支援に含まれないこともあります。例えば、私どもには次のことができません。
- 他国でみなさんの安全や無事の保証、飛行機などの手配をする。
- 法的アドバイスをしたり、通訳や文書の翻訳をしたりする。
- 他国の裁判手続きや法的問題に関与する。例えば雇用に関する争いや商事紛争、刑事事件、家族法関連の問題や親権争いなど。
- 海外の犯罪や死亡についての捜査や、行方不明者の捜索を行う。こうしたことは地元当局の責任です。
- 当事者を刑務所から釈放する、強制送還を阻止する。
- 刑務所でその国の受刑者より良い扱いが受けられるようにする。
- 保釈金や罰金、弁護士料を支払う。
- オーストラリアや他国の親権合意書を強制執行させたり、他国に親権について決定するよう圧力をかけたりする。
- 医療や精神治療の費用や薬代を支払う。
- 年金や社会保障給付金を支払う。
- 他国のビザやライセンス、労働・居住許可証を手配する。
- 他国の出入国や関税、検疫に関する問題に関与する。
- 荷物やその他の個人の所有物を保管する。
- 代理に郵便物の受取や送付を行う。
非常事態への対応
海外にいるオーストラリア人が次のような非常事態に巻き込まれた際には、例外的な対応が必要になります。
- 多数のオーストラリア人が死亡もしくは負傷している、あるいは重大な脅威に直面している場合。例えば、テロ攻撃や大事故、パンデミックや自然災害など。
- 政治的暴動のため私どもが退避のアドバイスを出している中で、民間機が 運航して いない際に政府専用機やオーストラリア人退避の手配が必要となる場合。
- 多数のオーストラリア人に大きな混乱と苦難を生む出来事が生じた場合。
海外でこうした非常事態が生じた場合には、私どもはオーストラリア国籍保有者と永住権保有者に支援を提供します。状況によっては当事国の国籍をもつ二重国籍者も支援の対象となることがあります。
提供する支援は多くのことを考慮して行われますが、次のような支援が実施される可能性があります。
- 専門チームを派遣し、影響を受けたオーストラリア人を支援する。
- オーストラリア人の死傷者のご家族と連絡をとりあう。
- 現地当局と協力し、影響を受けたオーストラリア人を支援する。
- 現地を出ようとするオーストラリア人を支援し、ご家族と連絡がとれるようにする。
- トラベルアドバイスと非常事態に関する最新情報を提供する。
みなさんにできること
情報把握
- smartraveller.gov.auで最新のトラベルアドバイスを確認する。
- 最新情報が得られるようにウェブサイトに登録し、ソーシャルメディアでスマートトラベラー (Smartraveller)をフォローする。
- 事前にパスポートの有効期限を確認する。国によってはパスポートの有効期間がその国からの出国予定日から6か月残っていないと入国できないところもある。
- 推奨されている予防接種やその他の健康上の注意について医療従事者に確認する。予防接種が入国条件になっている国もあります。
- 訪問国や経由する国の適切なビザを必ず取得し、この他の出入国条件も確認する。
- 医薬品や薬を持参する場合には、それが訪問国でも合法であることを必ず確認する。
- 自分が訪問国の国籍保有者とみなされるかどうか、また二重国籍者であることが渡航計画に影響を及ぼさないかどうか確認する。
事前準備
- 渡航と医療に関する総合的な旅行保険に加入する。自分が訪ねる場所や予定しているアクティビティに加え、既存の病状や現在受けている治療などが対象となっていることを確かめる。
- 渡航前に自分の身体的健康と精神的健康を考慮し、さらに適切な予防接種を必ず受けておく。
- 自分や同伴者が渡航中にメンタルヘルスのサポートを必要とする場合には、事前に渡航とメンタルヘルスに関するアドバイスを読んでおく。
- 特定の渡航先で使える十分な資金を必ず用意し、渡航中に資金が利用できる手段を確認しておく。
- パスポート、ビザ、保険加入証書のコピーを複数用意し、文書のコピーをオーストラリアにいる誰かに渡しておく。
みなさんのプライバシー
外務貿易省(DFAT)に提供した個人情報は、1988年プライバシー法などの法律で保護されています。同省のプライバシーポリシーはdfat.gov.au/privacyでご覧いただけます。
DFATは領事支援を提供するために個人情報を利用することがあります。オーストラリアのプライバシー原則5に基づき、領事支援に関する情報収集表明書には、領事支援を提供することにあたり私どもがどのように個人情報を収集、使用、開示、保管するかについての情報が記載されています。
同書のコピーはオンラインで、またはDFATにコピーを要請すれば入手できます。
非常事態から個々の事例に至るまで、メディアは海外にいるオーストラリア人に関心が高いものです。限られた状況においては、領事支援が提供されているという事実を私どもがメディアに認めたり、それがどのような支援なのかについての情報を正したり、明確にしたりする場合がありますので、領事サービスを受けておられる方はご了承ください。
私どものサービスについてどう思われましたか
私どものサービスに関するみなさんのコメントを歓迎します。良い悪いにかかわらず、フィードバックは改善が必要な部分や、変更するのが妥当なことを把握するために有益です。みなさんの体験を共有していただくことで、他の方々が海外で困難な状況を回避し、私どもが提供できる支援レベルを理解することに役立てられます。
私どものサービスについてのコメントは次のいずれかの方法でお送りいただけます。
-
オンラインの連絡フォームを利用する
次の宛先に文書を送付するFirst Assistant Secretary
Consular and Crisis Management Division
Department of Foreign Affairs and Trade
RG Casey Building
John McEwen Crescent
BARTON ACT 0221
私どもの対応にご満足いただけない場合には、オーストラリア連邦のオンブズマンオフィスにご連絡いただけます。
連絡先
緊急な領事支援は、 24時間 対応のキャンベラの領事緊急センター(CEC:Consular Emergency Centre)に電話することでご利用いただけます。
- オーストラリア国内から 1300 555 135
- 海外から +61 2 6261 3305
海外におられて、開館時間外の場合には、訪問国の大使館や領事館(英連邦加盟国の場合にはハイコミッションと呼ばれます)に電話し、電話の自動案内に従えばCECにつながります。
大使館や領事館の住所と電話番号はsmartraveller.gov.au、または地元の電話帳やホテル、観光局オフィス、警察署にあります。
渡航中には
- smartraveller.gov.au のウェブサイトをご覧ください。トラベルアドバイスは定期的に更新しています。
- 訪問国の最新情報が得られるようにsubscription.smartraveller.gov.au/subscribeで登録しておきましょう。
- Facebook、Twitter、Instagramで@smartraveller をフォローしましょう。
- オーストラリアの基準からは厳しいもしくは不公平に思えても、訪問国の法律は守ってください。オーストラリア人だからといって異なる扱いが受けられると期待しないようにしましょう。
- オーストラリアにいるご家族や友人との連絡を保ちましょう。しばらく連絡がつかなくなる場合や、旅程が変わる場合にはそう伝えておきましょう。
- リスクが海外でよくより大きくなることがあります。注意を怠らず、オーストラリアでは冒さないリスクは一切冒さないようにしましょう。
非常事態には
- 地元メディアを確認し、地元当局のアドバイスに従ってください。
- ご家族や友人との連絡を保ち、自分が安全であることを知らせましょう。
- 自分のフライトやツアーに影響がないか航空会社や旅行会社に確認しましょう。
参考になるクイックガイド
海外で重病にかかり、医療が必要になりましたか
地元の医師や病院から、またはホテルやツアーマネージャーを通じて医療を受けるようにしてください。
旅行保険会社に連絡してください。旅行保険会社には通常、24時間対応のコールセンターがあり、病気やけがの対応に関するアドバイスや地元の医療施設の詳細を提供してくれます。
最寄りのオーストラリア大使館や領事館に電話し、電話の自動案内に従ってください。
最寄りの大使館や領事館に連絡できない場合には、次のいずれかの番号でキャンベラの領事緊急センター(CEC)に電話してください。
- オーストラリア国内から 1300 555 135
- 海外からは +61 2 6261 3305
海外で性的暴行や重犯罪の被害に遭いましたか
最寄りのオーストラリア大使館や領事館に電話し、電話の自動案内に従ってください。
最寄りの大使館や領事館と連絡がとれない場合には、次のいずれかの番号でキャンベラの領事緊急センター(CEC)に電話してください。
- オーストラリア国内から 1300 555 135
- 海外からは +61 2 6261 3305
助けが得られるように、CECが最寄りの大使館か領事館に連絡します。
海外で盗難に遭いましたか、またはお金が必要ですか
盗難の場合には、旅行保険会社に連絡してください。保険会社は地元警察に盗難届を出して警察のレポートを入手するよう求めることがあります。
ご家族や友人に連絡し、民間の送金サービスや銀行を通じて送金してもらいましょう。
海外で逮捕されましたか
最寄りのオーストラリア大使館や領事館に電話してください。領事館職員にできることは限られる点をご了承ください。
私どもには、みなさんが刑務所や拘置所から出られるようにしたり、法的アドバイスを提供したりすることはできませんが、地元弁護士の詳細をはじめ、さまざまな情報を提供することはできます。訪問国の法律とプロセスに従った扱いが受けられるように、私どもはできる範囲でお手伝いします。
海外で誰かが行方不明になっていますか
電話、メール、ソーシャルメディアで連絡を試みてください。
ご家族や友人に電話し、直近の住所、銀行、旅行代理店や航空会社、ツアー会社、勤務先にも確認してください。
それでも連絡がつかず、懸念する理由がある場合には、まず地元の警察に連絡して行方不明者の届出をしてからキャンベラ領事緊急センター(CEC)に電話してください。
- オーストラリア国内から 1300 555 135
- 海外からは +61 2 6261 3305
免責事項
本パンフレットの作成にあたっては細心の注意を払いましたが、オーストラリア政府やその代理人、職員は、海外の外交官および領事職員も含め、本書の記載内容に関して生じるいかなる傷害、損失、損害についても一切責任を負うことができません。
Consular and Crisis Management Division
Department of Foreign Affairs and Trade RG Casey Building
John McEwen Crescent
BARTON ACT 0221
Tel (02) 6261 3305、1300 555 135
渡航者向けの情報やトラベルアドバイスは外務貿易省のスマートトラベラーウェブサイトsmartraveller.gov.auから入手できます。